「メタボ」という言葉を1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

「最近太ってメタボになってしまった」

などお腹が出ていて太っている人のことをメタボと言うようになり、その言葉はここ最近で急速に広まっています。

しかし、言葉が先行して広がり、正しい意味ではなく見た目に判断される曖昧なものとして認知されているように感じます。

実際のメタボが、心臓病や脳卒中などの病気になりやすい状態を示唆するもので、生命の危険を知らせるサインだということがあまり知られていないのです。

メタボを理解することは怖い病気にならないための予防策です。

この記事ではそんなメタボに関する基礎知識やおすすめの予防や対策についてを紹介しております。

ぜひメタボを理解して健康管理のお役に立ててください。

正しいメタボリックシンドロームの基礎知識

正しいメタボリックシンドロームの基礎知識

メタボの正式名称は、メタボリックシンドローム。

メタボリックシンドロームは内臓脂肪型肥満

  • 高血圧
  • 高血糖
  • 脂質代謝異常

が合わさることで、動脈硬化2型糖尿病を招きやすくなっている状態のことを言います。

動脈硬化性の病気では、心臓病脳卒中が当てはまり、これらは死因の1/3を占めるほど多い病気です。

2型糖尿病では3大合併症と言われる

  • 糖尿病性神経症
  • 腎症
  • 網膜症

を発症しやすくなって、

  • それぞれ足の切断
  • 血液の人工透析
  • 視力低下

といった恐ろしい合併症が起こる可能性があります。

メタボリックシンドロームがなぜこれほどまでに重要視されているかというと、内臓脂肪が蓄積している状態だと、それが原因で、たとえ血圧・高血糖・脂質代謝異常などの生活習慣病が軽度であっても、それらが重複することで、脳梗塞や心臓病などを発症するリスクが高くなってしまうことにあるからです。

メタボリックシンドロームは一般に太ってお腹が出ている人のことを言う言葉だと思われていますが、実は 生命の危機に関わる病気への危険シグナルを表している言葉なのです。

ポイント

メタボって知らないで使っている人もいますが、実は怖い病気の引き金になる可能性ある病気です。

どうなるとメタボリックシンドローム?診断基準について

メタボリックシンドロームの診断基準

メタボリックシンドロームを診断する方法としては腹囲の計測が一般的です。

これは日本の診断基準にて、メタボリックシンドロームでは内臓脂肪が原因となって様々な病気の発症リスクが高くなるということから、内臓脂肪の蓄積が簡単にわかる方法として採用されているからです。

また、腹囲に加えて

  • 高血圧
  • 高血糖
  • 脂質異常

のうち2項目以上当てはまる人が、メタボリックシンドロームに該当し、1項目当てはまる人はメタボリックシンドローム予備軍となります。

これらの項目をもう少し詳しく見て見ましょう。

高血圧の診断基準

高血圧では、収縮期血圧が130mmHg以上、または、拡張期血圧85mmHg以上、

または、血圧を下げる薬を処方してもらっている、に当てはまっている場合に該当します。

高血糖の診断基準

高血糖では、空腹期血糖110mg/dl以上、または、血糖を下げる薬やインスリン注射を行なっているという場合に該当します。

脂質異常の診断基準

脂質異常は、中性脂肪150mg/dl以上、または、HDLコレステロール40mg/dl未満、または、コレステロールや中性脂肪を下げる薬を処方してもらっているという場合に該当となります。

そもそも脂肪は悪いものではない

そもそも脂肪は悪いものではない

ここまで内臓脂肪が原因となって様々な悪循環を生むことを説明してきましたが、そもそも脂肪というもの自体が悪いものなのでしょうか?

脂肪とは一体何なのでしょうか?

皆さんは脂肪に対してどのようなイメージを持っているでしょうか?

一般的には印象が悪く嫌われ者といったところでしょう。

ですが、人の体にこれだけ目立って存在しているわけですから、何か必要とされているはずです。

脂肪の隠された役割には、白色脂肪細胞という細胞が大きく関わっています。

この細胞は食事によって摂取され、血液中へと放出された中性脂肪や糖質を取り込み蓄える働きがあります。

これにより太るという現象が起こるのですが、取り込むことには理由があります。

それは 人間が生きるため・体を動かすためのエネルギーを蓄えておくためです。

蓄えた脂肪は、エネルギーが必要になった時に分解し、エネルギーとして全身に供給することができるのです。

こうして、人間はエネルギーを欠くことなく生活を送ることができるのですが、この白色脂肪細胞、通常80μmという大きさなのですが、

どんどん中性脂肪を取り込むことが可能で、最大で2倍近くまで膨らむことができます。

ただし動脈硬化が起こりやすくしてしまう作用もある

ここまでは、脂肪はエネルギーとして必要不可欠なもので、実はいいものとして理解することができますが、やはり悪い部分も隠されているのです。

脂肪細胞は肥大することでどんどん不良化してしまいます。

不良化した脂肪細胞は悪玉の物質を分泌するようになってしまい、その悪玉物質には、

  • 血圧を上げる作用やインスリンの働きを悪くして糖尿病になりやすくしてしまう作用
  • 血中に脂肪酸が増え動脈硬化が起こりやすくしてしまう作用

があり、生活習慣病の増悪を行なってしまうのです。

これが、メタボリックシンドロームの根幹でもあります。

メタボリックシンドロームと病気の関係

メタボリックシンドロームに該当する人は、心臓や血管系の病気を発症しやすいことを説明してきましたが、どれほど健康な人と違うのかを詳しく見て見ましょう。

まず、日本でどれほどの人がメタボリックシンドロームに該当しているかというと、男性で22%女性で8.7%とされていて、さらに加齢とともに増加していく傾向にあります。

出典:厚生労働省 メタボリックシンドローム該当者・予備群の状況

この数字で多くの人がメタボリックシンドロームに該当していることがわかりますが、驚くべきは、病気との関わりにあります。

2型糖尿病患者と冠動脈疾患患者のメタボリックシンドロームに該当する確率を調べたところ、なんと

  • 2型糖尿病では男性50%、女性30%。
  • 冠動脈疾患患者では男性42.5%、女性18.8%

と、かなりの高確率で関わりがあるということがわかります。

さらに、メタボリックシンドロームでは2型糖尿病になるリスクが3〜6倍、心疾患になる、または死亡するリスクは1.5〜2倍になると言われています。

そもそも2型糖尿病ではメタボリックシンドロームに該当していなくても、心臓病や脳卒中の発症リスクが高い状態なのですが、

そこにメタボリックシンドロームに該当していることで発症率が一気に2倍以上になるとされ、高確率で大きな疾患を発症してしまうことになります。

メタボリックシンドロームは改善できる。予防や対策について

メタボリックシンドロームは改善できる。予防や対策について

ここまで、メタボリックシンドロームについてとその病態について説明してきて、その恐ろしさを十分に理解してもらえたのではないでしょうか?

そこで気になるのはメタボリックシンドロームの予防と改善法についてだと思います。

心臓病や2型糖尿病を発症してしまっていては、それぞれの病気に対して病院で診てもらわなければいけなくなります。

しかし、メタボリックシンドロームに該当しているだけの状態であれば十分に改善させることが可能です。

ここまで説明してきましたが、メタボリックシンドロームで主に問題となっているのが、「内臓脂肪の増えすぎで、脂肪の不良化が起こって、悪循環を招いていく」ということです。

そのため、内臓脂肪を減少させることによって、メタボリックシンドロームを予防・改善することができると考えられます。

そのことを考えるとメタボリックシンドロームを改善するためには

  • 食事管理
  • 運動の習慣化

この2つが必要不可欠となるのです。

食事管理では塩分や糖質・脂質を抑えるようにして、脂肪になるものの摂取を控えることを意識する。

運動の習慣化では筋力トレーニングも必要ですが、できる限りウォーキングやランニングといった有酸素系の運動を取り入れることで、脂肪の分解を促進させることができます。

つまり、メタボリックシンドロームの改善法や対策として、 脂肪になるようなものは最小限に抑え、余分な脂肪は分解するということをまずは意識するようしましょう。

ポイント

脂肪を減らすことで自ずと体重も減少していきますが、その体重減少の目安としては、3〜5ヶ月で体重の5%としてください。

メタボリックシンドロームを改善する食事

メタボリックシンドロームを改善する食事

それでは更に詳しくメタボを改善する食事について解説していきます。

メタボリックシンドローム改善の基本は食事です。

栄養バランスを崩さない食事で、1日の摂取カロリーを減らし、さらに運動によって消費エネルギーを増加させることで、脂肪の分解を促し、内臓脂肪を減らしていくのです。

ただ、ここで重要になってくるのが自分の消費カロリーをまずは知ることです。

年齢別のカロリー計算

消費カロリーは年齢別によって異なります。

人間の体は一人一人違うのあくまでも推定の計算にはなりますが、消費カロリーは「基礎代謝+消費エネルギー」で出すのが一般的です。

こちらは厚生労働省が出している年齢別の推定エネルギー必要量です。(消費カロリー)

出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準

身体活動レベルとは日常でどれくらい活動しているのかという指標です。

下記がおおよその目安になります。

活動レベル低い(I)ふつう(II)高い(III)
 1.51.752
主な日常の行動生活の大部分を座って過ごし、静的な活動が中心の方おもに座って行う仕事だが、職場内での移動や立って行う作業・接客等、通勤・買い物・家事、軽いスポーツなど移動や立って行うことが多い仕事。なた、頻繁にスポーツをする、活発な運動習慣を持っている場合

これを当てはめたのが先程の表です。

例えば、35歳の男性で仕事はオフィスでパソコンがメインなら1日の消費カロリーは約2,300kcalになります。

では自分の1日の消費カロリーがわかったら次はどのようにして脂肪を落としていくかです。

おおよそ脂肪1kgを減らすためには、約7,000kcalのエネルギーが必要です。

もし3ヶ月で3kgの減量を行うためには、21,000kcalが必要となりますので、3ヶ月が90日だとして、21,000kcal ÷ 90日 = 233.3kcal

このことから1日に233kcal、摂取カロリーよりも上回ればいいので、仮に上記の男性なら1日に摂取カロリーがおおよそ2,300-233=2,067kcalというような計算ができます。

あくまでこれは例になりますが、食事によって1日およそ10%ほど摂取カロリーを減らせば内臓脂肪の減量は成功することになります。

この考え方であれば無理なく栄養バランスも崩すことなく減量することができそうな感じがするのではないでしょうか?

メタボリックシンドロームを改善する運動

メタボリックシンドロームを改善する運動

食事だけでも減量することができそうですが、さらに運動を行うことによって減量効果を高めることができ、減量成功後もリバウンドの少ない体にすることができます。

減量のためには、摂取エネルギーよりも消費エネルギーを多くすることで、いわばエネルギーを赤字にすることが必要です。

運動の目的としては、この消費量をいかに増やし赤字をどんどん増やしていくことが鍵になるのです。

そしてこの消費量には2つの考えがあります。

運動によりエネルギーを消費を増やす

1つ目が運動によりエネルギーを消費を増やすこと。

運動によりエネルギー消費を増やすためには、日中積極的に体を動かすようにして、軽めのウォーキングも取り入れるのがおすすめです。

またサイクリングや水泳、水中ウォーキングであればより効果的に消費カロリーを増やすことができます。

筋肉を鍛えて基礎代謝を高める

そしてもう1つが筋肉を鍛えることによって、基礎代謝を高めることです。

基礎代謝というのは、人間が生きる上で自ずと消費されてしまうエネルギー量のことを言いますが、筋肉をつけることでエネルギーの消費量が増やすことができます。

減量成功後もリバウンドしにくい体にするためには、筋肉を鍛えて基礎代謝そのものを高めることが必要となります。

基礎代謝を高めるためには、最低でも週2回の筋力トレーニングを取り入れるようにしましょう。

  • スクワット腕立て伏せ(膝をついた状態でも十分効果があります)
  • 仰向きで両膝を立てた状態からお尻をあげブリッジする
  • 片足立ちをしっかり腿を上げて1分間続ける(片手は支えを持ってもいいです)

といったトレーニングを週2回続けることで、大きな筋肉を鍛えることができ、消費カロリーをより増やすことに期待ができます。

また、もしガッツリ筋トレをしたい方はこちらの記事でメニューなどは紹介しております。

ポイント

筋トレやるといっても最初は怪我のリスクなどもあるので徐々に慣らしていきましょう。

まとめ

一般にはメタボリックシンドロームは肥満を表す用語で広まっています。

間違ってはいないのですが、実際にはもっと深刻な状況を表す用語で、将来の心臓病や脳卒中の発症リスクを知ることができる重要な項目なのです。

メタボリックシンドロームには、糖尿病や動脈硬化などの重篤な病気が隠れていて、心臓や脳の病気だけではなく、腎臓の病気や目の病気、神経の病気を発症するリスクさえもあります。

それゆえ、 確実に死へと向かい進んでいく恐ろしい病気だということを覚えておきましょう。

とはいえ、メタボリックシンドロームも予防・改善させることができます。

そのためには、規則正しい食事とそのバランス、そして積極的な運動が必要となります。実はこのことは一昔前の日本では当たり前のようにできていました。

現在では欧米文化やファストフードが発展してことで食生活や栄養バランスがくずれ、移動手段や日用品では便利なものが増え、運動量が少なくなってしまいました。

この状況を打破するために今一度自分の状況を見つめ直し、メタボリックシンドロームと向き合いましょう。