最近耳にする機会も多くなってきた「ラクトフェリン」ってご存知ですか?
筋トレしている人にはあまり聞かない成分かもしれませんけど、ダイエットをしている人の間ではちょっと話題になっている成分です。
ラクトフェリンには、免疫調整作用や抗菌・抗ウィルス活性、腸内環境を良くしてくれる善玉菌であるビフィズス菌の増殖、抗炎症作用などに効果があるとされています。
ラクトフェリンはヨーグルトなどの乳酸菌食品などでよく見かけると思いますが、実際にはどんな成分が知らなかったという人も多いハズ。
ここではそんなラクトフェリンとはどのようなものなのか、ご紹介致します。
目次
ラクトフェリンとは何か
ラクトフェリンは鉄と結合するタンパク質の事をいいます。
ラクトは「乳」、フェリンは「鉄と結合するタンパク質」という意味。
ラクトフェリンは、乳・涙・唾液・血液などに存在する、感染防御機能つまり免疫機能を持った、糖タンパク質です。
さらに体内で様々な働きをしてくれる、多機能タンパク質の一つでもあります。
お乳に多く含まれれている
女性の方は「赤ちゃんが生まれたら、母乳の初乳は絶対に飲ませるべき」と聞いた事がありませんか?
実はラクトフェリンは、主にお乳に含まれていて、出生後3日間に最も多く含まれています。
産まれたばかりの免疫力の弱い赤ちゃんを守るために、とても大切な働きをしてくれるわけです。
母乳で育っている赤ちゃんは、母乳を飲んでいる内は、実は母乳の免疫機能によって、意外と風邪など引きにくかったりするんですね。
母乳をやめ、離乳食に移ったあたりから、次々に感染するといった場合も多いようです。
実際、我が子は0歳から保育園に通っていますが、全く同じような経験をしました。
全てがラクトフェリンの効果とは言い切れませんが、実際に免疫機能としてはかなり注目できるようです。
ラクトフェリンの性質
ラクトフェリンは主に乳製品に含まれている事が多いのですが、熱に弱い性質があります。
搾りたての生乳には含まれていますが、市販されている牛乳や乳製品は、殺菌工程で熱を加える為、ラクトフェリンはほとんど残っていません。
乳製品で言えば、熱殺菌を行わないで作られる、ゴーダチーズやチェダーチーズなどのナチュラルチーズには多少含まれています。
このような乳製品からラクトフェリンを摂取し、胃の消化酵素ペプシンに分解されることで、元々のラクトフェリンよりも強力な抗菌性のあるペプチド「ラクトフェリシン」になります。
ラクトフェシリンなどに分解されなかったものは、そのまま腸へいきます。
血液中には吸収されないのですが、腸管免疫系に作用して、病変部位で、さまざまな働きをしていると考えられています。
ただし、強い胃酸に負けてしまって、腸まで届かない場合があります。
腸に届いてこそ、吸収され、効果が得られるものが多いので、摂取方法はよく検討しなければなりません。
ラクトフェリンの効果
ラクトフェリンを摂取したり、気になっている方の多くはきっと、便秘やダイエットといった、便通改善などを意識した方が多いと思います。
実際、含まれているものや、製品の多くが、乳製品であるので、特にかもしれません。
もちろん、便通改善などに一番効果があるといえるのが、腸内環境の改善でしょう。
でも実は、腸内環境の改善は、便秘や下痢などといった、腹痛や排泄だけに関係するものではありません。
ウィルスや菌などから、細胞や体を守ってくれる、免疫細胞のやく6割が、実は腸に集中して存在しているのです。
免疫細胞が活性化されれば、体が丈夫になり、健康になりますよね。
この免疫細胞というのは、活性化していれば、もちろんいいのですが、
- 生活の乱れ
- ストレス
- 暴飲暴食
などといった体や心の変化で、あっという間に低下していまいます。
そういった隙に、体調を崩したり、蓄積する事で病気になったりと、免疫細胞自体を守る事が大切になってきます。
だからこそ、腸内環境を整える事で、全身の6割が集結している免疫細胞を元気にできます。
その他にもラクトフェリンには
- 免疫力アップと発がん予防
- 抗菌・抗ウィルス活性
- 善玉菌を増やす
- 鉄吸収率アップで貧血予防
- 抗炎症作用・胃瘍性大腸炎の改善
- ドライアイを改善
- ストレスを緩和
- 鎮痛作用
このような効果・効能があります。では簡単に紹介していきますね。
免疫力アップと発がん予防
ラクトフェリンは、NK(ナチュラルキラー)細胞という、免疫細胞を活性化させる働きがあります。
NK細胞とは、がん細胞やウィルスなどに感染した細胞を見つけ出し、攻撃して体を守ってくれる細胞のことです。
NK細胞を活性化する事で、発がん予防になったり、免疫力が上がって病気になりにくい体を作れるようになります。
参考資料:森永乳業
また、厚生労働省が行っている「新ガン撲滅10ヵ年計画』という研究では、
- 大腸
- 膀胱
- 食道
- 肺
- 舌
- 肝臓
などでは、発がんを抑制したという結果がでています。
抗菌・抗ウィルス活性
ラクトフェリンは抗菌・抗ウィルス活性があることでも有名です。
ヘリコバクター・ピロリ菌を抑制
出典:森永乳業
ラクトフェリンは、胃の中に棲みつき、胃潰瘍や胃がんの原因となる細菌、ヘリコバクター・ピロリ菌への、強い抗菌作用を発揮する事がわかっています。
ノロウィルスや病原性大腸炎の感染予防
冬に大流行する、嘔吐・下痢などの辛い症状で有名な、ノロウィルス感染予防にも効果があります。
出典:森永乳業
ラクトフェリンが免疫力を高める働きに加えて、ラクトフェリンが腸の表面に張り付いて、腸表面の細胞から侵入するノロウィルスを防ぐからです。
同じ作用から、病原性大腸炎O-157などの感染予防にも効果があります。
歯周病の進行を抑制
出典:森永乳業
歯周病の原因は、歯周病菌ですが、この歯周病菌から発生されるLPS(リポポリサッカライド)という毒素によって歯周病が進行します。
このLPSの活性をラクトフェリンが抑制する働きと、免疫力を上げる働きによって、歯周病の進行を抑制する働きがあります。
また、歯周病菌は、血中に入って全身に回り、成人病などの全身疾患を引き起こす原因にもなります。
LPSは血中に入る事で、体内のコレステロールや中性脂肪の合成・分解などに関係する酵素の量に悪影響を与え、脂質異常を引き起こし、メタボリックシンドロームなどの原因になります。
腸内環境を整えるだけでなく、歯周病菌を抑制する事で、実はぽっこりお腹改善も期待できるんですね。
善玉菌を増やして腸内環境を整える
ラクトフェリンは、腸内の善玉菌を増やす、プレバイオティクスをいう働きのある成分の一つです。
人の腸の中には、約100種類、100兆個以上の腸内細菌がいて、
- 善玉菌
- 悪玉菌
- 日和見菌
と大きく3つに分けられます。
ビフィズス菌などの善玉菌と、ウェルシュ菌などの悪玉菌が、常に優勢威力を争っている状態で、少しでも優勢になった方に日和見菌が加担し、善玉菌と悪玉菌の優勢順位が、腸内環境を左右します。
実は、産まれたばかりの赤ちゃんや乳児は、腸内の善玉菌が90%を占めていますが、加齢とともに減少し、さらに、生活環境やストレスなどでも大きく変化します。
ラクトフェリンは、腸内の善玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを整える働きがあります。
鉄吸収率アップで貧血予防
貧血な主な原因は鉄不足にありますが、鉄って実は吸収があまりよくありません。
ラクトフェリンは、鉄と結びつく性質を持っているため、同時に摂取する事で、吸収率を上げる効果があり、貧血予防や改善に効果的です。
抗炎症作用・胃瘍性大腸炎の改善
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に、慢性的にびらんや潰瘍ができる、大腸の炎症性の病気です。
慢性的な病気で、子供から高齢者まで発生しますが、原因が明らかになっていません。
ただ、潰瘍性大腸炎の感染により、抵抗力が弱まった病変部位で、ラクトフェリンが増加していることがわかり、ラクトフェリンの、免疫力アップ、ストレス緩和や抗炎症による効果である
と考えられています。
ドライアイを改善
パソコンやスマホなど、現代社会では切っても切り離せない環境で、特にオフィスでは3人に1人がなっていると言われる、ドライアイ。
涙の分泌量が減ったり、涙の質が低下する事で、目の表面の潤いが足りなくなった症状です。
ラクトフェリンはもともと、涙にも多く含まれていて、ラクトフェリンの濃度が上がる事で、涙の量が増えるなど、ドライアイにも効果があります。
ストレスを緩和
人はストレスを感じると、血液中に抗ストレス作用(抗不安作用)を持つ、コルチコステロンという副腎皮質ホルモンが増えます。
ラクトフェリンは、このホルモン分泌を抑制することで、ストレスを軽減してくれます。
恐怖や不安などを和らげてくれる作用があるのが、脳内での快楽物質と呼ばれる、内因性オピオイドと呼ばれる物質群です。
このオピオイドを活性化させるには、一酸化窒素の生成が必要になります。
ラクトフェリンは、一酸化窒素の生成を促進する作用がある為、オピオイドの活性化が期待でき、ストレス緩和の他、神経症やうつなどの改善にも効果が期待されています。
赤ちゃんが母乳を飲んで安心するのは、お母さんの体温や愛情はもちろんですが、このラクトフェリンの、抗不安作用が働いている為とも考えられているんですよ。
鎮痛作用
鎮痛薬として有名なものに、モルヒネがありますが、効果が高い分、吐き気や便秘などの副作用が出るリスクが高く、また、依存性が高い事も懸念されています。
この、モルヒネに近く、高い鎮痛作用が期待できるのが、ラクトフェリンです。
しかも、元々母乳や涙といった、体内に存在する成分なので、副作用や依存性の危険がないと考えられます。
もっと研究が進めば、がん治療など、高い鎮痛効果が必要となる治療に、モルヒネに変わって利用されていくという期待がされています。
また、前述した、ストレス緩和といった抗不安作用もあるので、鎮痛作用と同様の効果が発揮できることも、効果が期待される理由の一つです。
脂肪分解と抑制
ラクトフェリンには、脂肪の合成を抑制させる働きがあります。
さらに、脂肪というのは、ぺリリピンという物質で自らをコーティングして、分解されるのを防いでいます。
ラクトフェリンは、このぺリリピンを減少させる働きがあります。
その為、脂肪を分解してくれる酵素が、コーティングされていない無防備な脂肪に直接働きかけ、効率的に分解してくれます。
ラクトフェリンではこのように研究が進んでいて、様々な効果・効能があることがわかっているスーパー成分なのです。
ラクトフェリンでダイエットが期待できる理由
上記の効果・効能だけでも、ラクトフェリンは凄いんですけど、実はラクトフェリン上記の効果・効能からダイエット効果が期待できる成分でもあります。
もちろん、個人差はありますけどね。
では、何故ダイエットに効果があるのか。
その主な理由はこの3つです。
- 脂肪を分解して抑制
- 腸内環境の改善
- 歯周病菌の抑制
脂肪を分解して抑制
一つは、上記でも詳しく紹介しましたが、ラクトフェリンは脂肪を分解しやすくして、かつ脂肪の合成を抑制する働きがあります。
脂肪を分解してくれるだけでも凄いのに、脂肪の合成まで抑制しちゃう。
凄いですよね。
腸内環境の改善
二つ目は、腸内環境の改善です。
ダイエットに悩む方は、意外と便秘がちな人が多かったりします。
便秘がつつけば、必要以上に吸収してしまったり、老廃物を排泄できないので、体に溜めこむばかりで、いい事がありません。
腸内を健康にすることで、便通改善、老廃物の排泄がスムーズに行われ、ダイエットだけでなく、お肌もつやつやになるはずですよ。
歯周病菌の抑制
三つ目は、歯周病菌の抑制です。
実はダイエットに全く関係ないように見える歯周病菌ですが、実は血液を通って全身にまわる、全身疾患の原因にもなります。
この歯周病菌が増えると、脂肪の分解や合成のコントロールができなくなり、メタボの原因になります。
もちろん、根本的な歯周病は歯医者さんでの治療が絶対必要ですが、進行を抑制することも大きな効果があります。
このようなことから、ラクトフェリンの摂取は、ダイエットに効果があるといえるでしょう。
ただし、寝不足や暴飲暴食と言った乱れた生活で、ラクトフェリンだけ摂取して痩せられる訳ではありません。
最低限の生活や食事の見直しと意識を持つことが、大前提です。
ラクトフェリンの1日の摂取量
ラクトフェリンの1日の推奨量については、森永乳業によると、
現在、ラクトフェリンの所要量及び上限値を明確に定めたデータはありません。なお、市販のラクトフェリン入りヨーグルトや機能性ミルク等の商品では1個で100~200mg摂取できるものがあります。一日あたり最大7.2gのラクトフェリンを摂取したヒト試験においても悪い影響はないという報告がありますが、大量に摂取した場合の影響については、詳しくは分かっておりません。一度に多量に摂取するよりも、毎日継続して摂取する事が望ましいといわれております。
このように回答しており、摂取量の上限値が決まっているわけではないらしいです。
ただ、最大7,2gまで摂取しても問題がなかったという報告もあることから、多く摂取した方が良いように思うかもしれませんが、流石に7gは多すぎます。
目安としては1日約100mg~300mg程度くらいがちょうどいいくらいかと。
多ければ良いってわけでもないですから。
食事からだけでは難しい
では300mgはどれくらいかというと、熱殺菌を行わないチーズを生のまま食べて摂取するには、およそ100g食べなくてはなりません。
100gというと、大体市販のカマンベールチーズを丸々1つ位です。
チーズ好きならなんとかこれくらいなら食べれるかもしれませんけど、これを毎日となると、中々辛いものがありますよね。
ちなみにチーズではなく食べやすい通常のヨーグルトから摂取と考えると、およそ1kg必要です。
少し大きめのヨーグルトで400gくらいですから、あれを2.5個分。
私は無理です。
サプリなら手軽に摂取できる
食事からだけではぶっちゃけですが難しいと思います。恐らくほとんどの方が継続できないはず。
なので、手軽に摂取できるサプリも検討するのものありでしょう。
サプリなら水で飲むだけですからね、必死になって食べることもありません。
今まではあまりラクトフェリン入りのサプリって少なかったんですけど、最近ようやくラクトフェリン配合のサプリもかなり増えてきました。
失敗しないサプリ選びのコツ
それぞれのサプリに特徴があるので、悩むかもしれませんが、ポイントは
- しっかりとラクトフェリンが配合されている
- 耐酸性やコーティングがしてあるかどうか
- 初回割引などがあり試しやすいかどうか
- いつでも解約できるかどうか
この4つです。
ラクトフェリンが配合されているのは当たり前ですが、商品によっては配合量が少なかったり、品質がよくない生乳から作っている場合があります。
また、胃酸により腸まで届かないということも考えられるので、しっかりと耐酸性やコーティングがしてあることが前提になります。
それに、サプリというは誰にでも合うものではないので、万が一効果がなかったという場合も考えられます。
その時に初回が試しやすい価格で、いつでも解約できるなら金銭的にも安心して試すことができるはずです。
ラクトフェリンを選びに悩んでいる人は、まずは上記の4つのポイントを抑えてください。
ラクトフェリンサプリ比較
ちなみに有名どころのラクトフェリンを比較してみるとこのようになります。
ラクトフェリン配合量 | 耐酸性 | 初回金額 | 解約時期 | |
---|---|---|---|---|
ホコニコのラクトフェリン | 300mg | ![]() | 1,940円 | いつでも |
ライオンのラクトフェリン | 300mg | ![]() | 2,980円 | 3ヶ月以上 |
濃純ラクトフェリン美肌MAX | 300mg | ![]() | 7,475円 | いつでも |
ラクテクト | 20mg | ー | 4,140円 | いつでも |
ラクトフェリン 30日分 | 300mg | ー | 2,040円 | いつでも |
※初回金額は定期便にした場合
ほとんど、ラクトフェリン配合量は変わりませんが、価格が抑えられていて、しっかりと耐酸性もしているのはホコニコのラクトフェリンです。
解約はいつでもできるので、初回1,940円を試して効果を感じられないなら初月解約という方法もできるので、とりあえず手軽に試したいという人に人気があるラクトフェリンサプリです。
私も嫁さんに飲ませようかなと考えているサプリの1つなんですけどねー。
最近太ってきたし、ちょっと便秘気味っていっていたので、これを少し試してみようかなと。
実際効果がなくてダメでも2,000円くらいならそこまでリスクはないかな。
それと、プロテインの飲み過ぎおならが臭い人にもオススメかも。
乳酸菌のビフィズス菌や天然のオリコ糖も配合されているので、腸内環境がよくなりおならの匂いが改善するはずですから。
まとめ
ラクトフェリンには、免疫力アップ、抗菌・抗ウィルス、腸内環境を整える、ダイエット効果、ストレスや痛みの緩和、といった効果が期待されています。
どの効果をみても、加齢や生活習慣によって、乱れたり、低下している働きを改善し、体を守り、健康を保とうとするものばかりです。
元々体内に存在している成分であるので、副作用の心配はありませんし、よい作用の細胞を活性化してくれるので、どの年代にも摂取可能なところも、注目すべき点でしょう。
ただ、熱や胃酸など、デリケートな成分ではあるので、食事からの摂取は中々難しいかもしれません。
効果的に摂取するのであれば、やはりサプリがオススメです。
ダイエットをするために飲んでもいいですけど、それ以上に健康いいことだらけの成分なので、健康維持を考えている人も全然アリだと思いますよー。