筋トレの超回復は嘘・本当?正しい超回復の仕組みと筋肥大のメカニズム

筋トレをしているひとなら誰もがご存知の超回復理論。

筋トレ後、疲労により破壊された筋繊維を身体は治そうとしますが、勢い余って筋繊維が元通りどころか肥大するという現象です。

これの繰り返しにより筋肉は大きくなり、それと比例し筋力が向上します。

超回復理論によると、筋トレ後は休息を取らないと筋肉が回復できずどんどん筋肉が萎縮していき、怪我に繋がると言われています。

実際に筋トレを行っている人はこの理論が正しいことは体感しているはずですが、今ネットではこの超回復理論が実は嘘である、または日本独特の根拠のないの理論であるとネットで話題です。

今回は、超回復理論について肯定的な意見、否定的な意見をまとめ分析していきます。

また、超回復による筋肥大効果を最大限に活用するための方法を紹介します。

正しい超回復理論とは

一般的に言われている超回復とは、トレーニングをするとどんどん筋トレは傷ついて疲労が溜まります。

その後、筋トレはそのまま疲労したままというわけではなくそれを治すために回復していきます。

「回復した後はかならず前よりも筋肉が強くなる」

というのが超回復です。

簡単にいうと疲労→回復によって前の筋肉よりもっと筋肉がついてレベルがあがることを超回復といいます。

主に3日〜4日が回復時期と呼んでいることが多いようです。

ドラゴンボールを読んだことある人はわかるかもしれませんが、あの悟空たちのスーパーサイヤ人も一回瀕死の状態までいって、回復すると前のときより数倍強くなっていることと同じです。

超回復理論は嘘?

”トレーニング後、疲労した筋肉が回復し、その後肥大する。”

これは多くの研究で結果を裏付けされていて、非常に信用度が高い理論です。

では、なにが間違っているのでしょうか。

それは、”超回復”という名前です。

超回復を英語に翻訳した際、当てはまるのは「supercompensation」もしくは「Overcompensation」という単語になります。

Super-,Over-は「〜を超えた、過度の〜」という意味を持ち、compensationは「賠償、埋め合わせ」という意味を持ちます。

過度に埋め合わせをおこなうことにより減った分より増える。

一見、日本における超回復と似たようなものですが、実はこの言葉は筋肉の肥大について使われることは少なく、主な使われ方としては「Muscle glycogen supercompensation」。

つまり、筋グリコーゲンの超回復として使われるのです。

トレーニング後、約24時間後に筋グリコーゲンの貯蔵量が通常より増えるのがMuscle glycogen supercompensationですが、これが筋肥大と混同し誤認が発生。

その後、筋肉の超回復として知られるようになりました。

これが、超回復理論が”嘘”、または日本独特の“根拠のない理論”と言われる理由です。

正しい筋肥大のメカニズム

間違った翻訳から生まれた超回復理論ですが、”トレーニング後、疲労した筋肉が回復し、その後肥大する”というメカニズムは本物です。

英語ではHypertrophy(肥大)と呼ばれることが多いですが、これの正しいメカニズムは超回復(過度な回復)ではなく環境への適応能力によるものです。

カナダの生物学者、Hans Selye氏が人間が様々なストレスに対しどのような反応をするのか研究し、それにより生まれたストレス反応の理論が筋肥大の軸となっています。

Hans Selye氏は人間が長期間ストレスを受け続けた場合、3つのフェーズに分かれて反応を示すことを発見しました。

警告反応期

第一のフェーズとして、警告反応期があります。このフェーズではストレスを感知し、それに緊急で対応するために様々な反応をします。

まずはじめに、体温、血糖値などが低下し筋肉の緊張が抑制され、身体のパフォーマンスが低下するショック相が現れます。

次に身体がストレスに適応するためにホルモンを分泌し防御態勢に入る反ショック相が現れます。

抵抗期

長期間同じストレスを受け続けるとそのストレスに対する適応能力が向上し、ストレスとストレス抵抗が拮抗します。

この状態は非常に安定していますが、抵抗するためにエネルギーを消費し続けます。

そのままストレスを受け続けるとやがて、エネルギーが枯渇し疲弊期に入ります。

疲弊期

身体が疲弊し、ストレスに抵抗できなくなります。

心身のパフォーマンスが低下し、さらに抵抗力が弱まっていきます。

ストレスが弱まる、なくなる、などにより身体の衰弱が停止します。

筋トレにおけるストレス反応

この、Hans Selye氏のストレス反応理論がどのように筋トレと、また筋肥大に当てはまるのか見ていきましょう。

以下、架空の被験体に2日おきにベンチプレスのトレーニングをおこなわせる実験を想像し書いていきますね。

筋トレの警告反応期

トレーニングの経験がない被験者がベンチプレス(大胸筋のトレーニング)をおこないます。

トレーニング後から24時間にかけて第一フェーズ警告反応期のショック相が現れます。

筋力が低下し、やがて筋肉痛として現れます。その後、反ショック相が現れます。

低下した筋力が回復しはじめ48~72時間をピークとし向上します。

被験者は反ショック相がピークに達した後(2日おき)に再びトレーニングをおこないます。

ショック相による筋力の低下、その後反ショック相による筋力の向上。

これらを繰り返し、被験者の大胸筋の筋力は向上していき、それに比例するように筋肉が肥大します。

筋トレの抵抗期

個人差はありますが、約2ヶ月ほどで第二フェーズの抵抗期が現れます。

ベンチプレスによるストレスにストレス抵抗が拮抗し安定します。

ショック相、反ショック相が出現しなくなり筋力の向上が止まります。

これはプラトーと呼ばれ、筋力の向上が難しくなる時期を指します。

経験がある方も多いのではないでしょうか?

筋トレの疲弊期

抵抗期にもかかわらず、同じトレーニングを続けた被験者はやがて最終フェーズの疲弊期に差し掛かります。

エネルギーが枯渇し、ストレスに抵抗できなくなり筋力が衰え始め、またその他の生体機能にも支障をきたします。

それでもトレーニングをやめない被験者は最終的に死に至ります

ストレス反応理論のまとめ

ストレスが強ければ強いほど第一フェーズの警告反応期から死に至るまでの時間は短くなります。

2日おきのトレーニングで死まで到達するには途方もない時間がかかりますが、毎日同じトレーニングを続けた場合、死に至ることは決して非現実的ではありません。

それでも私たちが死ぬことがないのは疲弊期に差し掛かった時点でトレーニングをおこなう気力を失い、継続することができないからです。

これもまた一種の防御反応と言えます。

超回復の周期

超回復という名前が適切ではないことを説明しましたが、超回復という名前で筋肥大のメカニズムが一度認識されていて、わざわざ変更させる必要もないので、この記事では超回復と呼び続けることにしますね。

さて、超回復の周期についてですが、最も有力なものとしてトレーニング終了後から48~72時間というもが挙げられます。

それについては、上記のストレス反応理論における反ショック相のピーク時間と一致していることから間違いありません。

ただ、この時間を過ぎてしまうと筋力がもとに戻ってしまう、筋トレの効果がなくなってしまうと認識されている人が多いようです。

しかし、トレーニングによってもその回復時間は変わってきます。

いつもやっていてそこまで激しくないトレーニングや慣れているトレーニングなら、2日後には完全に戻ることもありますが、すこしいつもと違うトレーニングをしたりして、いつもより筋肉が傷つたりしたら3日〜4日では回復しない場合もでてきます。

なので一概にこれくらいの期間を休んだらいいという判断はできません。

それに、ピークを過ぎたあとの筋力低下はそれほど急激なものではなく、通常時の運動不足による筋力低下と同じです。

それよりも重要な事が、

  • トレーニング終了後48時間以内に次のトレーニングを開始しない
  • 休息をしっかりと取る

ということです。

短い周期でストレスを受け続けるとすぐに疲弊期まで到達してしまう他、反ショック相での筋力向上の恩恵をうけることができなくなります。

超回復による筋肥大の効果を最大限にするためには、ショック相と反ショック相を往復することです。

第一フェーズを通り過ぎ、第二フェーズの抵抗期に入ってしまうとプラトーと呼ばれる停滞期に入ってしまいます。

このフェーズではトレーニングが日常となりマンネリ化、筋肉がストレスという刺激を感じられなくなり、筋肥大しなくなります。

この場合にはトレーニングの方法を変更し、新しいストレスを取り入れることでまた第一フェーズの警告反応期に戻り、筋肥大させることができます。

  • トレーニング後は48時間以上の休息を取ること
  • 抵抗期に入らない、もしくは脱却するためにはトレーニングルーティンの変更を定期的に行なう

以上の2点に注意することで、超回復(ストレス反応)による筋肥大の効果を高めることができます。

筋肉痛と超回復の関係

  • 筋トレ後、筋肉痛が発生することで超回復が起こり筋肉が大きくなる。
  • 筋肉痛がこないと超回復が起こらず、筋肉は大きくならない。

という話をきいたことはありませんか?

実際のところ、筋肉痛と超回復はどのような関係なのでしょうか。

筋肉痛はストレス反応理論の警告反応期のショック相で発生するストレスに対する警告で、身体に異常なストレスを受けていることを知らせる役割を持っています。

定義的には怪我の一種に分類されますが、日常生活に異常を来すほどの痛みをもたらすことはありません。

仮に、異常な痛みを感じた場合は肉離れなどの筋損傷の可能性があるので注意が必要です。

筋トレにより、筋肉痛が発生することは警告反応期の初期段階にあることを意味します。

同じトレーニングを続けることにより徐々に筋肉痛を感じづらくなり、最終的に何も感じなくなり抵抗期に突入します。

それが、トレーニングルーティンを新しく変更する合図になります。

新しいトレーニングをおこない新しいストレスを取り入れた場合、また警告反応期から始まり強い筋肉痛を感じることになります。

筋肉痛を感じるということが警告反応期の初期段階にいる、つまり筋肥大がおこりやすい

このような理由から上記のような極論が生まれてきましたが、筋肉痛を求めトレーニングをすることは間違いではありません。

ただ、だからと言って筋肉痛がないからトレーニング効果が全くないということもないんですけどね。

超回復のための食事とアルコールの制限

超回復により、筋肉を肥大させるには肥大させるための材料、タンパク質が必要不可欠です。

筋肥大を目的としトレーニングを行っている場合は最低でも、タンパク質を体重(kg)×2gを目標に摂取してください。

体重が70kgの場合、70×2=140gとなります。

同時にタンパク質の代謝をサポートするビタミン類、特にビタミンB6を摂取するとで、摂取したタンパク質が筋肉へと合成されやすくなります。

これらは玉ねぎなどの野菜に多く含まれます。

超回復のための食事をまとめると

  • 豆類、肉、魚、卵などのタンパク質を摂取する
  • 野菜を食べタンパク質の代謝をサポートするビタミン類を摂取する

このようになります。

アルコールの摂取は注意

また、トレーニングをおこなった日のアルコールの摂取にも気をつけましょう。

アルコールを解毒する肝臓は筋トレにより

  • 消費したエネルギーを再び貯蔵する
  • 筋肉の材料となるタンパク質を代謝

このような仕事がたくさんあります。

これらに加えアルコールを摂取してしまうと、アルコールの解毒も肝臓はおこなわなければなりません。

仕事量が低下し筋合成が低下する他、将来的に肝疾患にかかる恐れがあるので注意してください。

ただ、だからと言って全く飲むなというわけではありませんよ。

ボクも飲み会や週に2回ほどはお酒を飲みますし、飲みたいなら飲んでも個人的にはいいと思っています。

ただ、上記でも書いたように飲み過ぎがダメというだけです。好きなことを辞めるって相当ストレスになりますからね。

もし辞めてもストレスが貯まらないならいいですが、ストレスが貯まるくらいなら上手に付き合って行ったほうがいいかなと思いますよ。

何事も適度が1番です。

プラトー脱却のおすすめのトレーニングメニュー

抵抗期に差し掛かり、プラトーとなった場合はトレーニングメニューを変更する必要があります。

種目を変更することも可能ですが、今回はセットの組み方を変更することでプラトーを脱却する方法を紹介します。

ピラミッド法

ウォーミングアップとして2-3セットおこないますが、各セット重量を増やしていき、レップ数を減らします

メインの第一セットをピークとし、メインセットは各セット重量を減らし、レップ数を増やします。

ドロップセット

2-3セットをインターバルを挟まずおこないますが、各セット重量を落としてください。

コンパウンドセット

同じ部位を対照としたトレーニングを混合しておこないます。

例 : ダンベルプレス×ダンベルフライ

ダンベルプレスを1セットおこなった後、インターバルを挟まずダンベルフライをおこないます。

スーパーセット

拮抗筋を対照とした2種目のトレーニングをコンパウンドセットのようにインターバルを挟まずにおこないます。

例 : ベンチプレス×ラットプルダウン

以上、よく使われるセットの組み方を紹介しました。プラトーを感じた時に参考にしてみてください。

トレーニング日以外のエクササイズ

続いて、トレーニングをおこなわない日におこなうおすすめエクササイズを紹介します。

アクティブレストと呼ばれる休息方法で、軽度の運動をおこなうことにより身体の回復をうながす方法です。筋肉に負担のかからない軽度の有酸素運動が採用されることが多いです。

水泳

水中での運動と地上での運動の大きな違いはエキセントリック収縮が発生しないということです。

常にポジティブ動作で身体を動かす必要がある水中では、筋肉に負担のかかるエキセントリック収縮が起きずアクティブレストにはもってこいの運動です。

ジョギング

もっとも手軽な有酸素運動です。

自転車やストライダーなどよりも全身運動なので疲労回復効果が高いですが、水泳などと比べると下半身の関節や筋肉に対する負担が大きくなります。

まとめ

筋肥大のメカニズムを分析し、また効果を最大限に発揮するための方法を紹介しました。

  • 48時間以上の休息
  • タンパク質を多めに摂取した食事
  • マンネリ化しないトレーニング

休息、食事、トレーニング、これら3つの要素を全て適当に満たすことが筋肥大への近道です。

どれか一つに突出するのではなく満遍なく取り組むようにしてください。

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