サカナサカナサカナ~サカナを食べると♪カラダカラダカラダ~カラダにいいのさ♪
2002年にお魚天国いう歌が、大流行して、スーパーのサカナ売り場などで、連日流れていました。(若い方は知らないかも)
今や筋トレをする男性だけでなく、女性でも肉好きを公言する方も多くなってきました。
肉ももちろん大切ですが、肉よりも比較的食べる機会が少ないと言える「魚」って、実はタンパク質豊富な上に、ヘルシーかつ重要な栄養素をたくさん含んでいます。
しかも、他の食材にはほとんど含まれていない物質もあり、魚を食べる事は意外と大切と言えます。
今回は、魚に含まれるタンパク質量と、魚から特に得られる栄養素の中でも「DHA」と「EPA」についてご紹介致します。
魚食べていきましょう。
目次
肉よりも魚の方がタンパク質の質がいい
タンパク質は、人の体では作る事が出来ない為、食品などからの摂取が重要になります。
筋肉を付けたいと思うと、どうしてもパワーがありそうな肉を連想しがちですが、実は魚も高たんぱくな食材です。
また、タンパク質の「質」というのは、タンパク質に含まれる9種類の必須アミノ酸のバランスによって数値化されます。
その数値の事を「アミノ酸スコア」というのですが、この数値が100であると、必須アミノ酸をバランスよく含んでいる食品とみなされ、タンパク質の質がいいと評価できます。
例えば
- 鶏肉
- 豚肉
- 牛肉
- 牛乳
- ヨーグルト
- 鶏卵
なども、100という良質ですが、
- アジ
- イワシ
- サケ
といった魚類も100であり、魚から得るタンパク質の質もとてもいいものと言えます。
しかも、魚のタンパク質は、低脂肪、低カロリーなのもが多いのでダイエットなどをしているいる方には特におすすめのタンパク質源です。
さらに、魚は調理の際も、お刺身や焼き魚にすれば、余分な脂も使わないので、良質なタンパク質を、脂質などを気にせずに摂れます。
タンパク質=肉、と思いがちですが、実は魚からの摂取も利点がたくさんあると言えます。
DHAとEPAの違い
良質なタンパク質が豊富な魚ですが、魚に特に多く含まれ、注目成分と言える、DHAとEPAという栄養素があります。
DHAとEPAは、どちらも「不飽和脂肪酸」で、人の体内では作り出すことができません。
けれど、体にとっては非常に重要な働きをしてくれる為、食品などの外から摂取する事が、非常に重要になります。
DHAとEPAを含んでいる食品も非常によく似ていて、かつ働きも似ています。
大きく分けるとするならば、DHAは特に脳や神経細胞に働きかけ、EPAは特に血液に働きかける、といった特徴を持ちます。
さらに、コレステロールにはDHA、中性脂肪にはEPAが効果的、という差があります。
DHAの働き
DHAとは、ドコサヘキサエン酸(DocosaHexaenoicAcid)の略称です。
「サカナを食べると頭がよくなる」と、冒頭で出てきたおさかな天国という歌の歌詞にもあるように、「DHAは頭がよくなる」と言われています。
実際に、イギリスの研究者が、日本の子供の知能指数が高い理由の一つとして、魚を食べる習慣によるものである、と発表したことが発端となり、DHA摂取が注目されるようになりました。
主なDHAの効果としては
- 血液をサラサラにする
- 脳の活性化
- 視力回復
- アレルギー予防
- ストレス緩和
- 認知症予防
などの効果があります。
血液をサラサラにして生活習慣病の予防
DHAは血管壁を柔らかくしたり、血液中の脂質濃度を下げる働きがあるため、血液の粘度を下げ、血液の流れをよくします。
さらに、赤血球の細胞膜も柔らかくしてくれるため、血液がサラサラになります。
また、血液の流れが勢い良くても、血圧が高くなるのを防いでくれるので、高血圧の予防効果もあります。
そして、DHAは中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす働きもあります。
この様な働きにより、
- 動脈硬化
- 脳梗塞
- 心筋梗塞
- 高血圧
- 高脂血症
などの、生活習慣病予防に期待されています。
脳細胞を作る材料になる
「頭がよくなる」という根拠ともいえる働きが、DHAは脳に必要不可欠な栄養素と言えるからです。
DHAは脳の中でも、記憶や学習に深く関わる「海馬」という部分に多く存在していて、海馬におけるDHA量が、頭の良さに関わっているとも言われています。
また、DHAは脳細胞の内の、情報伝達機能を受け持つシナプス膜という神経終末を作る材料となります。
DHAがシナプス膜を柔らかくしてくれる事で、神経伝達物質の生産量が高まり、脳内の情報伝達が活性化して、記憶力や、学習能力が高まります。
さらに、DHAを含むミルクで育てた赤ちゃんは、DHAを含まないミルクで育てた時より、知能指数がはるかに高いという報告や、成長後の子供も、DHA摂取により、学習能力や集中力の向上するという事もわかっています。
こうした事から、魚つまりDHAを摂取すると、頭がよくなると言われています。
視力回復
DHAは目の網膜に含まれる脂肪酸の約40%を占める事がわかっています。
そもそも視力低下とは、実は脳の働きが鈍くなることで低下します。
DHAを摂取する事で、脳が活性化し、近視や動体視力の改善の効果が期待できます。
アレルギー予防
DHAはシクロオキシゲナーゼという、アレルギーを促進してしまう酵素を阻害します。
その為、アトピー性皮膚炎・花粉症・喘息・関節炎のアレルギー源を抑制し、反応を緩和してくれる効果も期待されています。
認知症予防
認知症は、脳の神経細胞が死んでしまい、脳が委縮して起こります。
DHAを摂取する事で、神経細胞を修復し、生き残っている神経細胞の働きをサポートする事ができます。
認知症の患者に、6ヶ月以上DHAを摂取すると、計算力や判断力が高まるという効果も報告されています。
参照元:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22371413
ストレス緩和
DHAを摂取する事で、攻撃性がなくなり、精神面の安定が維持できるため、ストレス緩和効果も期待されています。
このようにDHAだけでも様々な効果か効能が期待できます。
EPAの働き
EPAも最近は良く耳にするようになりましたが、DHAの方が少し有名かもしれませんね。
EPAとは、エイコサペンタエン酸(EicosaPentaenoicAcid)の略称です。
EPAの主な効果や効能は
- 血液サラサラ
- 抗炎症効果
- 神安定効果
- 癌細胞の付着の抑制
などが期待できる成分です。
血管を柔らかくして、血液をサラサラに
EPAを摂取すると、血管が柔らかくなります。
また、血液中の赤血球の膜も柔らかくしてくれる為、毛細血管などの細い箇所にも入りやすくなり、血液のめぐりが良くなります。
そして、EPAは血液中の血小板の固まりやすさを防ぎ、血栓の原因を防いでくれます。
さらに、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らしてくれる為、血液がサラサラになり、血栓が原因となる病気の予防にもなります。
抗炎症効果でアレルギー緩和
炎症を引き起こす原因として、白血球の一種である「マクロファージ」の活性化があります。
EPAはこのマクロファージを抑制する事で、抗炎症効果が期待できます。
これにより、アトピー性皮膚炎や花粉症といったアレルギー症状の緩和も期待されています。
精神安定効果
EPAは脳内の神経伝達物質であり、感情のコントロールに関係している「セロトニン」の働きを高める効果があります。
セロトニンの分泌が少ないと、感情のコントロールが上手くできず、うつ病などの精神が不安定な状況を引き起こす場合がある為、セロトニンの働きを高める事で、精神安定が期待できます。
さらに、神経伝達物質に作用するので、認知症にも効果が期待されています。
癌細胞の付着の抑制
EPAは癌を促進する因子の一つ「アラキドン酸」の合成や増殖を抑える効果があります。
さらに血液やリンパ液を介して転移する癌細胞が、血液に付着するのを抑制する働きがあると言われています。
EPAもDHAと似たような効果や効能がありますが、大きな違いとしては
- DHA→脳への働きが大きい
- EPA→血小板凝集抑制効果が高い
ここが大きく違います。
なので、記憶力を改善したり、認知症の改善にはDHAを摂取した方がいいということになります。
まー、どちらも優れている成分には変わりはないので、できれば同時に摂取していきたい成分です。
DHAとEPAの必要摂取量と副作用
DHAとEPAは、特に青魚の脂に多く含まれています。
この魚油を摂取する事が大切なのですが、一番は刺身などの生食によって摂取すると効率的です。
もちろん、火を使用しても摂取は可能ですが、焼いてしまうと油分が外に逃げてしまいますし、煮たり、揚げたりする場合も、お湯や揚げ湯に流れてしまいますので、やはり生がオススメと言えます。
では、DHAとEPAはどの位摂取すれば効果的なのでしょうか。
1日摂取量は
- DHA→500mg~1,000mg
- EPA→1,000mg~2,000mg
この値が理想摂取量とされています。
必要量以上取ったからと言って、多くなった分効果がでるものではありません。
むしろ、何でもそうですが、過剰摂取は効果がなくなったり、健康被害といった恐れもあります。
目標摂取量を目安に、一度に多量摂取ではなく、毎日こまめに1,000mgを目標に摂取する事が一番です。
DHAとEPAの副作用
DHA・EPA単独としての副作用というよりは、DHA・EPAを含んでいる魚油による副作用があります。
げっぷ・吐き気・鼻血・軟便などの症状になります。
また、1日3g以上の多量摂取すると、血液の凝固機能が低下し、出血が収まりにくくなる場合があるので、摂り過ぎは要注意です。
副作用を起こす体質ではないか、理想摂取量を大きく上回っていないか、という点に注意すれば、安心して摂取できる栄養素です。
DHA・EPAを多く含む魚ベスト5
可食部100g中のDHA・EPA含有量の多いお魚ベスト5をまとめてみました。
可食部100gというと、文字だけではわかりにくいと思います。
例えば、お刺身であれば、1切およそ20g程なので、約5枚分、切り身であれば、およそ80~120gなので、約1枚前後をイメージして頂けるよいでしょう。
DHAを多く含む魚ベスト5
- 1位 本マグロ(トロ) 2,877mg
- 2位 ブリ(天然) 1,785mg
- 3位 サバ 1,781mg
- 4位 サンマ 1,398mg
- 5位 うなぎ 1,382mg
因みに、1位の本マグロは、同じ本マグロでも赤身だと、DHA含有量は115㎎となってしまい、約1/25の量になってしまいます。
魚の「脂」に含まれているという事が、よくわかりますね。
EPAを多く含む魚ベスト5
- 1位 本マグロ 1,972mg
- 2位 まいわし 1,381mg
- 3位 サバ 1,214mg
- 4位 ブリ(天然) 899mg
- 5位 サンマ 844mg
ほぼDHAと変わらない結果になりましたが、まいわしが2位になりました。
因みにDHA含有量もまいわしは1,136mgで6位と、DHA・EPA共に多く含んでいる魚と言えます。
DHA含有量5位のうなぎについても、EPA含有量は6位の742mgでした。
DHAとEPA含有量の多い魚は、ほぼ同じですね。
ということは、DHAやEPAを効率よく摂取したいのであれば、上記の魚を積極的に食べれば問題ありません。
流石に本マグロのトロを毎日は摂取できないと思うので、スーパーなどでもよく売られているサバやサンマなどは価格も安くおすすめです。
タンパク質を多く含む魚ベスト5
- 1位 しらす干し(半乾燥) 40,5g
- 2位 イワシ丸干し 32,8g
- 3位 あじ 27,5g
- 4位 あゆ 26,6g
- 5位 本マグロ(赤身) 26,4g
ここでは、タンパク質を多く含む魚をランキングにしてみました。
ベスト5以外でも、魚として高たんぱくと言われるカツオも6位の25,7g、身近である鮭は22,2g、サバは20,5gとなっています。
タンパク質量については、実は水分の含有量によっても、大きく変わってきます。
今回は水分含有量40%以上のものでまとめましたが、例えばフカヒレやするめなどの乾物になると、100g当たりの含有量は多くなります。
ただし、カラカラ状態の100g当たりの含有量になりますので、量としてはかなり多く感じるでしょう。
食事として摂取するのであれば、上記のランキングを参考にして頂くのをオススメ致します。
サバが1番おすすめ
良質なタンパク質をヘルシーかつ、無理なく豊富に摂取できる「魚」。
タンパク質豊富な魚と魚の油分に含まれるDHA・EPAを豊富に含む魚は、両ランクインとはいきませんでしたが、唯一「サバ」はどちらも豊富に含む魚と言えることがわかりました。
サバなら缶詰などでも売っているので、手軽に摂取することができます。
私も、調理などがめんどくさい時はサバ缶などをよく利用しています。1個100円前後なのでコスパも最強です。
DHAとEPAは人の体では作られないけれど、脳細胞や血管など、生命維持や、脳の活性化にとても重要な栄養素である事がわかっていただけたと思います。
成長期であるお子様の学習・集中・知能の向上にも非常に重要であり、成人病予防に大人にも効果的で、認知症予防にもなるので、まさに老若男女に必須といえます。
欧米化している食文化などで、お肉を摂りがちではありますが、海に囲まれた日本だからこそ、豊かな資源を活用して、身近で豊富な魚を食べる習慣を摂り入れる事が大切と言えるのではないでしょうか。
筋トレをするには、タンパク質は必要不可欠です。
しかし、健康のためにも肉だけではなく魚肉も積極的に摂取して、体内から鍛えていきましょう!!
ではでは今回はこれで。