「プロテオグリカン」という言葉だけでも、通販や商品などで聞いたことがある方も多いと思います。

ただ、実際こういった横文字の成分は、たくさんありすぎて、なにをどう選べばいいかわからないという方がほとんどかもしれません。

このプロテオグリカンは、大きく分けて「美肌」と「関節」に効果が期待されています。

ここではそんなプロテオグリカンとはどういったものなのかご紹介致します。

  

プロテオグリカンとはどんな成分?

「プロテ」はタンパク質、「オ」は結合、「グリカン」は糖鎖、を表していて、簡単にいうとプロテオグリカンは「糖タンパク質」の一つです。

糖タンパク質とは、細胞外マトリックスを形成する大切な成分になります。

細胞外マトリックスとは、例えば、フルーツがたくさん入っているゼリーを想像してみて下さい。

中のフルーツが細胞だとしたら、周りのゼリーが細胞外マトリックスと思って頂けるとわかりやすいでしょう。

細胞ではないけれど、細胞が存在する為に必要な物質なのです。

だから「細胞外」という名が付いているわけです。

特に真皮や軟骨に多く含まれる為、美肌や関節に効果的であると言われている成分がこのプロテオグリカンです。

副作用の心配がほぼない

知らない名前の成分などの場合、気になるが副作用。

例えば、他の成分の副作用で言うと

  • グルコサミンはカニやエビからの成分を抽出している為、甲殻類アレルギーのある方は飲めない
  • コンドロイチンは稀に吐き気や下痢・便秘が起こる

といった副作用が出てしまう成分もあります。

ところが、プロテオグリカンは元々、人体に存在している成分なので、副作用の心配は基本的にありません。

極めて稀に、体の好転反応により体調不良を起こす場合があるようですが、飲み方を変えるなどして様子をみれば収まるということなので、安心して摂取することができます。

ただし、成分などに限らず食品などにも言えることがですが、過剰摂取は絶対に辞めるようにしてください

効果を期待したい為に、たくさん飲んでも、いくら副作用が心配ないといっても、どんな影響がでるかわかりません。

どんなに体によいものでも、摂りすぎは逆効果の場合がほとんどと言っても過言ではないでしょう。

摂取量を考え、始めは体質に合うかなど、きちんと見極める事が何事も大切です。

2倍、3倍と摂取したからといって効果が2倍、3倍になるわけではありませんから。

プロテオグリカンの効果・効能

細胞外マトリックスを形成し、真皮や関節に多く含まれるという仕組みがわかったところで、では一体どのように作用するのでしょうか。

プロテオグリカンは、グルコサミンやコンドロイチン、ヒアルロン酸などと同様の成分と言えます。

これらの成分の効果としては、「保水力」が重要な働きになります。

保水力が高い事で、肌のハリやキメを保つ美肌効果が期待できます。

さらに軟骨の水分を保ち、滑らかに動けるようにします。

細胞にも水分が必要ですので、正常に働ける為にも、保水力はとても重要なのです。

さらにEGF(表皮細胞増殖促進作用)という、細胞の成長や増殖を促してくれるという細胞の再生機能を行う因子があります。

EGFは年齢と共に減少してしまう為、肌の衰えや、関節の負担がでてくる要因の一つなのです。

このEGFと同様の作用がプロテオグリカンにはあるという研究結果が、弘前大学のヒト線維芽細胞を用いた研究により報告され

EGF様作用

出典:http://www.ichimaru.co.jp/products/proteoglycan/data1.htmlより

高い保水力と細胞の再生機能により、美肌や関節への効果が期待できるという研究結果が明らかになっています。

美肌への効果

年齢と共に衰えてしまう、肌の再生機能やヒアルロン酸の産生を活発にし、促進してくれる働きをもつプロテオグリカンは、肌へのアンチエイジング効果が大いに期待できると言えます。

さらに保湿効果で有名なヒアルロン酸を超える保水力や、ハリなど肌に嬉しいコラーゲンなどの生成を促す働きもあり、美肌には至れり尽くせりの効果ばかりと言えるでしょう。

また、肌に付けてもべたつかず、サラッとしているという点でも、化粧品成分として、直接肌につける事での効果も大いに期待されています。

関節への効果

グルコサミンやコンドロイチンなど、関節など軟骨への有名な成分よりも効果が期待されているのが、このプロテオグリカンです。

一通り試して、効果が期待できなかった人が、プロテオグリカンに辿り着き、効果が得られたという声がかなりあるようです。

過度な運動や加齢と共に、関節にあるクッションとなってくれる軟骨がすり減り、骨と骨が直接当たる事で、激しい痛みや腫れが起こるのが、関節に抱える最大の悩みでしょう。

プロテオグリカンは軟骨の構成成分の一つであり、保水力が高い事で、軟骨の動きを滑らかにし、さらに衝撃を吸収するクッションとしての役割を担ってくれます。

そして、EGFと同様の作用により、軟骨細胞を増殖させることで、すり減った軟骨の再生機能も期待できます

さらに増殖させた軟骨細胞の元を、早く軟骨として形成し働けるように促す作用もある為、再生かつ減少を予防する事が期待でき、変形関節性など、関節に悩みをもった人たちの強い味方にもなってくれる成分です。

その他の効果

美肌と関節への効果の他に、炎症を抑えるてくれるサイトカインという物質の働きを促すことで、炎症を抑制し、特に大腸炎などの病気への予防効果も期待されています。

また、プロテオグリカンには、体重を軽減させたり、血糖値の上昇を抑制してくれる働きもあり、肥満や糖尿病といった生活習慣病の予防への効果もあることがわかっています。

プロテオグリカンの摂取方法

プロテオグリカンの1日摂取量の目安は、5mg~15mg位と言われています。

中には25mgや50mgまで大丈夫という場合があるようですが、前述した通り、ただやみくもに大量に摂取すればよいわけではありません。

過剰摂取は思わぬ悪影響も招きかねませんので、5mg~15mgを目安に摂取して頂くことをオススメします。

食品なら鮭の鼻軟骨

プロテオグリカンは、魚・牛・鶏の軟骨の含まれている為、食品からの摂取も可能になります。

特に注目されているのが、「鮭の鼻軟骨」です。

ただ、プロテオグリカンは熱に非常に弱い為、生で食べる必要があります。

北海道や東北などの1部の地域では、昔から「氷頭(ひず)」と呼び、大根などの野菜と一緒に塩と酢で漬ける「氷頭なます」という郷土料理として、お正月のお祝い料理のひとつとして食べる文化があります。

この料理は生で軟骨を食べられますが、鮭の頭を毎日用意して、これを毎日作って食べるというのは、かなり厳しいものがありますよね。

お肉の軟骨を生で食べる事は、衛生的にも難しいという事も考えると、食品からの摂取はほぼ不可能といえるのが現状です。

そうなるとやはり、サプリといった形で補えるのがベストでしょう。

サプリなら手軽に摂取できる

プロテオグリカンが、他の成分よりも効果が期待できるのにあまり名が知れなかった理由は抽出が難しく、さらに1gあたり3,000万円以上のコストがかかるという問題から、日常的に摂取できるサプリ化は難しいとされていたのですね。

しかしながら、最近では「鮭の鼻軟骨」からの抽出が可能になり、身近になり摂取できるようになりました。

鮭の鼻軟骨の氷頭(ひず)は、先程も少しお話ししましたが、北海道や東北など、鮭を丸々食べる地域などでは、石狩汁にしたり、なますと呼ばれるお漬物のような形で食べられたりしますが、基本的には加工段階で破棄される事が多い部位です。

そこで、資源の有効利用を目的に研究された結果、氷頭からのプロテオグリカンの高純度で大量に抽出できる技術が確立されました。

この技術により、化粧品に配合されたり、健康食品、サプリメント化も進み今ではたくさんのメーカーがプロテオグリカンを配合した商品を販売しているというわけです。

サプリメントなら、わざわざ料理する必要もないので、必要分だけ手軽に摂取することができますからね。とても楽です。

サプリメントの選び方

プロテオグリカンが配合されているサプリを選ぶときのポイントですが、

  • 体に悪影響な添加物が入っていないかどうか
  • 非変性Ⅱ型コラーゲンとプロテオグリカン配合
  • 国内のGMP認定工場などで品質管理

取り敢えずこの3つのポイントを抑えて選べば問題ありません。

体に悪影響な添加物が入っていないかどうか

基本的にサプリメントは、

  • 化学合成
  • 天然から化学合成
  • 天然

この3つの種類から作られていることが多いですが、サプリは毎日摂取するものなので、なるべく天然の方が良いです。

でも、天然といっても完全な天然素材からサプリメントを作るとなると、物凄く金額が高くなるのでコスパはよくはないんですよね。

だからどのメーカーも基本的にはそこまでコストがかからない完全な化学合成か天然素材から化学合成で作られたサプリを販売しているところがほとんどなわけです。

まー、コストがかかりますからね。

だからといって別に天然だから完全に安心というわけでもないので、僕は化学合成を使っていても体に悪影響がある添加物が入っていないかの方が重要だと思います。

そもそも厚生労働省でもこのように注意書きをしていますし。

出典:厚生労働省医薬食品局食品安全部

普通に考えれば天然と言っても完全に無農薬の物を使っているのかというとわからないですからね。

なので、選ぶ際は天然素材も大事だけど、それ以上に添加物などの方を注目して選んでみてください。

非変性Ⅱ型コラーゲンと非変性プロテオグリカン配合

コラーゲンって名前は知っている人がほとんどだと思いますけど、コラーゲンにも実は種類があってI型、II型、III型という感じで20種類以上もあります。

その中でも軟骨に多くあるのがII型になります。

摂取するならII型コラーゲンがいいわけですが、II型コラーゲンは熱などに凄く弱くすぐに構造が破壊されてしまいます

しかし今では長年の研究と実験から変性しない「非変性II型コラーゲン」というコラーゲンを抽出することに成功して、それをサプリに配合することで破壊されることなく体内に取り込めるようになりました。

この技術はプロテオグリカンを抽出する際にも利用され、非変性プロテオグリカンという名前のプロテオグリカンもあります。

なので、プロテオグリカンのサプリを選ぶ際は、

  • 非変性II型コラーゲン
  • 非変性プロテオグリカン

この2つの成分が含まれているサプリを選ぶことでより吸収率が上がるというわけです。

片方だけでもいいですが、できれば両方配合されているサプリを選んだ方がいいでしょう。

国内のGMP認定工場などで品質管理

サプリメントは口に入れるものなので、品質管理等はしっかりと行っていないと安心できませんよね?

最近はサプリメントや健康食品はかなり厚生労働省などで厳しくなってきているので、昔よりは品質管理はよくなってきています。

ただ、メーカーの中には品質管理などを載せていない場合があるので、選ぶ際はしっかりとGMP認定工場などで品質管理をしているサプリを選ぶようにしてください。

GMPに関してはこちらを参考にしてください。

日本健康食品規格協会

まとめ

高保水効果と、細胞の再生機能が期待できるプロテオグリカン。

美肌効果としての化粧品の注目と、年齢と共に悩みを抱える関節への効果がかなり期待できる成分です。

以前は牛の軟骨からしか抽出できず、コストもかなりかかる為、成分や効果が期待されたものの、一般的なサプリ化は実現不可能でした。

しかし、鮭の鼻軟骨からの抽出が可能になり、かつ、廃棄していた資源の有効活用により、高純度で低コストのプロテオグリカンが手軽に手に入るようになり、今では様々な商品に使われています。

元々、抽出や研究の成果を果たしたのはアメリカが逸早かったようですが、現在では島国であり、鮭の漁獲量も多い我が国、日本でも高純度のプロテオグリカンの抽出と精製が可能になったので、誰でも手軽に摂取できるようになりました。

年齢とともに衰えてしまう再生機能や保水力を、体本来がもっている細胞や働きで高め、よりよい健康を手に入れられる画期的な成分がプロテオグリカンといえるでしょう。

肌が気になる女性は勿論のこと、関節痛などで悩んでいる人にもいい成分なので、気になる方は食品やサプリメントを活用して摂取してみてください。