カプサイシンの驚くべき6つの効能と副作用。摂取量の目安について

みなさんは「カプサイシン」という成分にどのような働きがあるのかを知っていますか?

辛いという印象は強いかもしれませんが、体が暖かくなる以外に具体的な効果を理解している方は少ないかもしれません。

しかし、体が温まる以外にも健康に効果的な働きがたくさんあるのです。

この記事では、カプサイシンという成分について触れた後、カプサイシンの効果・効能、更には摂取量の目安について説明します。

代謝が悪いと感じている方・冷え症にお悩みの方・生活習慣病の予防をしたい方など、ぜひ注目して読んで貰えれば嬉しいです。

  

カプサイシンに期待できる6つの効能・効果

カプサイシンとは、唐辛子に含まれる辛味成分のことを指します。

中でも、 唐辛子の種の部分に強い辛味成分が含まれ刺激が強い食材としても有名です。

カプサイシンは、唐辛子の学名であるCapsicum annuumに由来して、その名前が付けられたと言われています。

唐辛子だけでなく、胡椒などのペッパー類・山椒などにもカプサイシンの一種が含まれているため、調味料にはなくてはならない存在でしょう。

日本で多く見掛ける唐辛子は、単純に辛味や刺激が強いだけのものが多いかもしれません。

しかし、唐辛子を多用する国々では、辛さが強烈なものだけでなく、辛味が抑えられたそのままでも食べやすい品種まで、料理に合わせて適切な種類が使用されているのです。

辛さや刺激のある「カプサイシン」ですが、 適切な摂取量を守ることで体にも良い影響が期待されているのです。

食べるとカーッと体が熱くなることからも想像できると思いますが、昔からの生活の知恵なども含め、さまざまな効果・効能があることをご存知でしたか?

まずは、そんなカプサイシンの効果・効能について、代表的な6つに着目して順番に解説します。

エネルギー代謝を活発にするので肥満になりにくくなる

カプサイシンを摂取することで、副腎皮質ホルモンであるアドレナリンの分泌が盛んになります。

アドレナリンは脳の中の交感神経へ働きかけ、昼に動いている時などに精神を興奮させたり血糖値を上昇させたりして、しっかりと活動させてくれる効果があります。

「興奮させる」と言うと体に悪いように聞こえますが、心身共に目を覚まさせてくれるわけなので、体に蓄えられているエネルギーも積極的に代謝していくのです。

肥満の原因にもさまざまなものがありますが、摂取カロリーが消費カロリーよりも少ないことで脂肪が蓄積してしまうものがほとんどです。

そのため、脂肪が蓄積しないように、食材によって摂取しすぎたカロリーを積極的に代謝させてあげる必要があります。

カプサイシンは、体内に蓄積したエネルギーを分解することで熱産生を高めて、 体脂肪を減少させることにも繋がるのです。

肥満が重症化することで、生活習慣病や更なる重篤疾患と合併する危険性もあるため、積極的に代謝させるカプサイシンは心強い味方ですね。

体の隅々まで血液や栄養を届けて冷え症やむくみを防ぐ

カプサイシンを摂取して代謝を活発にさせることは、血流を良くすることにも繋がります。

唐辛子などを食べた後に、体が燃えるように熱くなる経験をした方も多いのではないでしょうか?

この理由としては、 体中の代謝が活発になって、体の隅々まで血液がスムーズに流れるためです。

体の末端が冷えてしまう冷え症は、血液の流れが悪くて引き起こされている場合がほとんどです。

手足だけでなく眼や髪の毛の先などに血液が順調に循環しないことで、体の隅々まで栄養を届けることもできないのです。

その結果、眼が見えにくくなったり髪の毛が正常通り生成されなかったりといった症状が引き起こされることがあります。

他の病気の引き金になることも多いのです。

また、カプサイシンには血流を良くするだけではなく血管を拡張する作用も期待できるため、何らかの原因で血管外に血しょうが溜まってしまう、むくみの改善にも役立ちます。

ポイント

むくんだ時には体を温めると共に、カプサイシンなどの代謝を促進する食材を併用するのが効果的でしょう。

血液の流れを良くすることで高血圧や糖尿病も予防する

高血圧にはさまざまな原因がありますが

  • 食生活の問題
  • ストレス
  • 運動不足

などが多いです。

高血圧は血液・血管の悪い状態が続くことで、常時圧力がかるようになり引き起こされます。

ナトリウム濃度は塩化ナトリウム、すなわち塩分濃度のことです。

塩分の摂り過ぎによって血液中の塩分濃度が高くなり、それを薄めようと水分を欲することから始まります。

水分を摂ると血液内は水分でいっぱいになり、圧力がかかって高血圧を招いてしまうわけです。

同様に考えて糖尿病は、糖分の摂り過ぎによって引き起こされます。

糖分を多く摂る生活を続けると、上手く分解するためのホルモンが分泌できなくなり、砂糖を混ぜたように血液もどろどろな状態になります。

サラサラ血液でスムーズに流れるより圧力がかかってしまうのも納得できるでしょう。

カプサイシンは体を温めるために、余計に血圧を上げてしまうようにも見られますが、実は 血液の流れを良くしてくれるために逆に下げていく効果が期待できるのです。

ポイント

遺伝因子や他の要因も気をつけなければなりませんが、予防する一つの方法として捉えると良いでしょう。

コレステロール値を下げて生活習慣病の原因を減らす

コレステロールは体に必要な脂質ですが、あまりに過剰に摂取しすぎるとコレステロール値を一定に保てなくなってしまいます。

コレステロールには、善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)がありますが、悪玉コレステロールの上昇が特に危険です。

悪玉コレステロール値が上昇すると、体内で使われなかったコレステロールが血管に染み込んで酸化し、動脈硬化が進行してしまうことにもなりかねないからです。

一番大切なのはLDLとHDLのバランスを表す「LH比」であり、LDL÷HDLの値が2を標準としています。

LH比がこれ以上だと、動脈硬化・心筋梗塞などの生活習慣病を引き起こしやすくなります。

カプサイシンはコレステロールの中でも、 LDLのみの値を減少させ、HDLの値には影響を与えません

そのためLDLが下がることで、LH比は総合的に減少することになります。

ポイント

カプサイシンは排泄する量を増やす働きもあるため、不要なコレステロールを体外に排出できる点でも生活習慣病の予防に繋がると言えます。

カプサイシンはダイエットにも効果的に働く

カプサイシンを食べることで、血液中に入って脳に運ばれアドレナリンが分泌されます。

アドレナリンが分泌されることで、体の体温を上げて積極的に発汗するようになります。

すなわち 体の新陳代謝が活発になるため、積極的に脂肪が分解されるようになるわけです。

ダイエットをするためには、体の中の代謝を活発にして、体内に蓄積している脂肪を燃焼することが大切です。

カプサイシンを摂取することによる発汗量は、有酸素運動と同じくらいとも言われています。

食べてすぐに体暑くなり発汗するため、即効性がある方法とも言えるでしょう。

しかし注意しなければならないのは、カプサイシンを食べることで脂肪は分解されますが、 燃焼まで至らない脂肪は時間が経つと元に戻って蓄積されてしまうことです。

そのため、カプサイシンの摂取と有酸素運動を組み合わせることで、より脂肪の燃焼が活発に行なわれるのです。

ポイント

順番としては、カプサイシン料理を食べて脂肪を分解し、燃焼しやすい状態にしてから有酸素運動をするのが効果的でしょう。

殺菌効果を利用して薬にも応用されている

カプサイシンを適度に摂取することで、 胃粘膜の血流の流れが良くなり、胃潰瘍などの病気にかかりにくくなると言われています。

これは、カプサイシンの効能の1つである抗菌・殺菌作用が強いからであり、程よく摂取することで胃にも良い影響を与えるわけです。

痛みの鎮静作用もあることから、カプサイシンが入ったクリーム・医薬品などが近年、開発されてきています。

刺激を受けた時に、持続する痛みを抑えるための沈痛性局所軟膏が有名でしょう。

殺虫剤にも科学的成分を含んだ農薬などを使わずに、天然のカプサイシンを配合しているものもあるのです。

そうすれば、農作物を食べる私たちも安心して摂取できますよね。

また、アメリカでの研究結果には、カプサイシンが 大腸癌の発達を防ぐというものもあります。

カプサイシンを摂取することで、腸壁細胞が刺激されて癌細胞が発達しにくくなるというのです。

実際に、大腸・直腸などの癌になりそうな患者に対して、カプサイシンの適度な摂取を薦めていることも多いそうです。

カプサイシンを摂取する時の注意点と摂取量の目安

カプサイシンを摂取する時の注意点と摂取量の目安

これまでカプサイシンの健康への効果・効能を説明してきましたが、あくまでも刺激物質なので摂取のし過ぎは体に良くありません。

具体的に、 カプサイシンの1日の摂取量の目安は6mgだと言われています。

上限値などは正確に定められていませんが、致死量として体重1kg当たり60~75mgと、食べ過ぎると命への危険性もあることを警告しています。

日本は和食のようなさっぱりとした食生活ですが、インドのようなカレーを主食にしているような国では自然と耐性が高くなります。

その他、耐性には個人差があって、子供やお年寄り・胃腸が弱い体質の方は、それ以下のカプサイシン量でも健康被害が出てしまうこともあります。

カプサイシンの副作用について

カプサイシンの副作用としては

  • 吐き気
  • 胃炎
  • 味覚障害
  • 食道炎

などが挙げられます。

体内に取り入れた後に、舌や胃がピリピリしたり、皮膚に軟膏や湿布を貼った時にかぶれたりした経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

主に消化器系がダメージを受けてしまうわけです。

ポイント

1日の摂取量の目安を守って、適度な摂取を心がけることが望ましいでしょう。

まとめ

カプサイシンには、健康的に生活するためのさまざまな効果・効能があります。

  • エネルギー代謝の向上
  • むくみや冷え症の改善
  • 高血圧や糖尿病の予防
  • コレステロール値の低下
  • ダイエット効果

など、気になるものばかりですよね。

しかし、適正量以上を摂取することで、逆に副作用が出る危険性があることも認識しておかねばなりません。

1日に6mgを目安に、辛味に関する耐性が弱い方などは、ご自身で問題ない辛さ・摂取量などに調節すると良いでしょう。

この記事を読むことで、カプサイシンの効果・効能を具体的に理解し、注意点も含め、実生活に生かしていただければ幸いです。