最近、HMBというサプリメントのよく広告を目にしませんか?

DNSやビーレジェンドといった、大手筋トレサプリメントメーカー以外にも、様々なサプリメントメーカーがHMBサプリメントを作り、広告をたくさんうっています。

僕の周りでも、GACKTのようになりたいからとHMBサプリメントを購入し、筋トレを新たにはじめた方をよく見かけます。

正直、広告の内容は非常に怪しそうですが、このHMBはほんとうに効果のあるサプリメントなのでしょうか?

そんな不安がある人にためにこの記事ではHMBの効果などについて解説していきます。

  

HMBとはロイシンが代謝された成分

HMBはβ-hydroxy-β-methylbutyrate(3-ヒドロキシイソ吉草酸)の略称ですが、端的に言うとHMBとはアミノ酸の一種であるロイシンの代謝物になります。

ロイシンといえばBCAAを構成するアミノ酸の一種で、筋合成に強力にアプローチすることが知られています。

このロイシンが体内に入り筋肉の合成を活発にさせるためにはまず、HMBをという形に代謝されて初めて効果が期待できるのです。

つまり、HMBサプリメントはロイシンの代謝の手間を省いたサプリメントになります。

HMBの期待できる4つの効果

HMBとはロイシンの代謝後の形です。

つまり、効果としてはロイシンと非常に似たようなものが期待できます。

こちらの論文はHMBと筋トレについてとても詳しく研究されていますが、この研究によるとHMBの筋トレにもたらす効果は

  • 筋トレ時の筋分解抑制
  • 血漿クレアチンフォスフォキナーゼの減少
  • 最大筋力の向上
  • 除脂肪体重の向上

ロイシンと非常に似ていることがわかります。

このままでは分かりづらいので、それぞれの効果について簡単に解説します。

筋トレ時の筋分解抑制

筋トレ時には筋トレのためのエネルギーを産生するために筋分解が活発になります。

筋肉を分解しエネルギーを産み出そうとするのですが、筋トレ前にHMBなどの適切なサプリメントを摂取しておくことでこれを防ぐことができるのです。

血漿クレアチンフォスフォキナーゼの減少

血漿(血液中の)クレアチンフォスフォキナーゼ値は筋肉の疲労、破壊具合を知るのに適した要素です。

このクレアチンフォスフォキナーゼが減少したということは、筋トレによる筋疲労が少なくなったと考えることができます。

最大筋力の向上

これはそのまま、HMBの摂取により筋力が向上したということです。

筋力は基本的に筋肉量と比例しますので、同時に筋肉量が増えたことが考えられます。

除脂肪体重の向上

除脂肪体重とは、通常の体重から体脂肪量を引いた数値で、筋肉量を図る指標となります。

つまり、HMBの摂取により筋肉量が増えたと言えます。

HMBに効果がないと言われる理由

上記の論文をはじめ、様々な研究ではHMBの効果が立証されいてますが、一部HMBには効果がないのではないかと言われています。

確かに、HMBの商品はたくさんあるので胡散臭いという印象を持つ人もいるかもしれません。

プロテイン20杯分の効果

HMBの広告ではよく、「HMBはプロテイン20杯分!」というウリ文句が使われます。

確かに広告では嘘をつけないので、「プロテイン20杯」というのは正しい数字ですが「=プロテイン20杯分と同じ効果がある」というわけではないので注意しましょう。

なにが言いたいのかというと、プロテイン20杯というのはHMBの量がプロテイン20杯相当というだけの話で、プロテイン20杯分のタンパク質量があるわけでは決して無いのです。

わかりやすいように他の例を見ていきましょう。

  • レモン60個分のビタミンC
  • キャベツ20個分の食物繊維
  • しじみの味噌汁10杯分のオルニチン

これらは特定の栄養素のみの配合量は高いことを示しますが、「=その食品と同じ栄養効果がある」という訳ではありませんよね。

プロテインというサプリメントは、全てのアミノ酸が満遍なく含まれていて初めて効果を発揮するサプリメントですので、ロイシンやHMBの配合量だけに目をつけて「プロテイン20杯分」とセールスコピーはかなり滑稽です。

プロテインとHMBに関してはこちらの「」記事で詳しく解説しています。

HMBの上手な活用の仕方

HMBは効果がしっかりと立証されている優秀な成分であることには違いありません。

特に

  • 筋トレ初心者
  • 減量中の人

この2つのどちらかに当てはまる人は特におすすめです。

こちらの実験では、筋トレを今まで行ってこなかった人たちが、HMBを使ってどうなるかの実験が行われて、

  • 1日に3gのHMBを摂取しながら筋トレした人
  • HMBを使わないで筋トレをした人

この2つのグループで8週間後の結果を見てみると、約2キロ近く筋肉の増量が違う結果が出たという実験があります。

また、HMBとロイシンの特徴的な違いとして挙げられるものが、効果の持続時間です。

ロイシンが30-60分をピークに突発的な効果を発揮するに対し、HMBは2時間をピークに最大4時間効果を発揮し続けます。

つまり、一度の摂取で4時間の間筋分解を抑制し続けてくれるのです。

減量中は特に栄養不足になり、筋分解が活発になってしまいます。

せっかく付けた筋肉も減量によって減ってしまっては意味が無いので、ぜひHMBを摂取して筋分解抑制しながら減量を成功させましょう。

HMBの効果的な飲み方

HMBの効果は4時間継続するため、4時間毎に摂取し続けて1日を通して筋分解を予防する、といったような摂取方法が適切です。

BCAAなどのサプリメントの様に筋トレ前などに摂取しても、素早く吸収されることがないためにあまり効果は期待できません。

HMBの摂取量

HMBの1日の適切な摂取量は3gとされています。

これ以上たくさん摂取してもさらなる効果は期待できないことが研究により立証されています。

HMBを4時間ごとに摂取し、1日に5回摂取した場合、

3g/5回=0.6g

0.6gが一回の目標摂取量となります。

このように、摂取量を自分で調節するためにも、タブレットやカプセル式のものではなく、粉末状のHMBサプリメントを購入することをおすすめします。

HMBとクレアチンによる相乗効果

こちらの論文ではクレアチンとHMBを併用したグループで顕著に除脂肪体重の向上が確認されました。

それぞれのサプリメントは筋肉の合成に大きく関わってくるサプリメントですので非常に相性が良いことが上記の論文からも確認することができます。

しかし、体内でこれらのサプリメントが相乗効果を発揮しているわけでなく、それぞれが別々の方法で筋合成をサポートしています。

ですので、各サプリメントは同時に摂取するのではなく、それぞれに適した摂取方法で摂取することを強くおすすめします。

クレアチンであれば、100gドーシング法に乗っ取りまずは100gのローディングを、その後メンテナンス期に入りましょう。

HMBは上記でも解説したように1日最大3gを少量に分けて4時間ごとに摂取することがおすすめです。

HMBは女性にもおすすめ

HMBは特に減量中の人におすすめのサプリメントですが、もちろんダイエット中の女性にもおすすめのサプリメントです。

使用方法は上記とおなじで問題ありませんが、運動(筋トレがベスト)と一緒に使うとさらに効果的です。

とにかく体重という数字を減らしたいと考え、不健康なダイエットに取り組んでいる若い女性を多く見かけますが、HMBを使ったダイエットは筋肉量を保ちながら痩せることができるのでとてもおすすめです。

筋肉量が保てるということは、基礎代謝も維持できますのでリバウンドの心配もありません。

これを期に、ぜひHMBでダイエットを始めてみませんか?

まとめ

いかがでしたでしょうか?

確かにHMBの販売方法は少々怪しいですが、サプリメントとしての効果は十分に期待できます。

特に減量時のサプリメントとしてはかなり優先度が高いサプリメントですので、ぜひダイエットなどに利用してみてください。

参考論文:”Effect of leucine metabolite β-hydroxy-β-methylbutyrate on muscle metabolism during resistance-exercise training”

”Creatine and β-hydroxy-β-methylbutyrate (HMB) additively increase lean body mass and muscle strength during a weight-training program”