ジムにスミスマシンは置いてあるけどなんだかよく使い方がわからない、という方はいらっしゃいませんか?
このスミスマシンを上手に使うことでフリーウエイトでの重量を伸ばしたり、またスミスマシンならではの独特な種目に挑戦することができます。
今回は特におすすめのスミスマシンでおこなえる胸、背中、腕、脚といった各部位をターゲットとした種目を紹介していきます!
初心者はもちろんのこと、フリーウェイトに慣れていない女性の人も参考にしてみてください。
目次
そもそもスミスマシンって?
申し訳ありません。
種目を紹介する前にスミスマシンについて簡単に解説させていただきます。
スミスマシンは1980年代頃に流行し始めたマシンで、その後現在に至るまで約40年にかけて人気のマシンです。
少し大きめのジムであれば、ほとんどスミスマシンを置いていないジムは今ではかなり少ないというくらいメジャーなマシンです。
基本的にマシンの奥側にプレートを片付けるラックが、そして手前にバーベルと動作するスペースが確保されている構造になっています。
スミスマシンの特徴
スミスマシンの特徴は、備え付けのバーベルの両端に縦方向の2本のシャフトが走り、バーベルは沿ってまっすぐにしか動作できないようになっているということです。
このシャフトが地面と垂直に設計されているものが最も基本的なスミスマシンであることに対し、
若干斜めに設計されているものをスーパースミスマシンなどと呼んだりします。
※画像はあくまでもイメージです。
バーの両端に鉤爪のような形のストッパーがついています。
スミスマシン本体に設計されている約20~30cm幅のラックにこの鉤爪を引っ掛けることで、様々な高さにスタートポジションを設定でき、また潰れてしまった場合でもバーを回転させることで鉤爪をラックに引っ掛け抜け出すことができます。
フリーウエイトに比べ動作が安定する他、簡単にどの高さでもラック引っ掛けられることが特徴のこのスミスマシンは、安全性において圧倒的に優秀であり、初心者から上級者まで人気のマシンです。
スミスマシンを使った胸のトレーニング
ではここからはスミスマシンを使ったトレーニングメニューを紹介していきます。
初めに胸のトレーニング。
バーベルを使った胸の種目と基本的には変わらずトレーニングできますが、フリーウエイトより安定して動作できるため使用重量が少し増えることが多いです。
ベンチプレス
まずはベンチプレスですよね。
通常のベンチプレスのやり方はこちらの記事を参考に。
通常のフリーウエイトによるベンチプレスとの違いは主にグリップにあります。
ラックアウトする際にバーをひねる必要があるため、はじめに握るときの手首の角度を工夫する必要があります。
シャフトの軌道にそり動作するので、間違った方向にプッシュしてしまうと力のロスが生まれてしまいます。
グリップー肘を結ぶ直線がシャフトの軌道にリンクするように意識してください。
スーパースミスでおこなう際は、トップポジションがボトムポジションよりも頭側に動作するようにします。
大胸筋下部あたりにバーベルが下りてくるように位置し、押し上げた後のトップポジションではそれよりも少し上の大胸筋上部から鎖骨の真上あたりにバーベルが来るように設定することで力のロスを減らすことができます。
インクラインベンチプレス
ベンチプレスの状態からベンチの角度を起こすことでインクラインプレス、さらに起こすことでショルダープレスをおこなうことができます。
スミスマシン以外にも言えることですが、角度を起こすごとにグリップを狭め、バーベルを下ろす位置を高くしていきます。
ちなみに使う筋肉は角度を起こすごとに上方の筋肉を使うようになります。
- ディクラインベンチ=大胸筋下部
- フラットベンチプレス=大胸筋中部
- インクラインベンチプレス=大胸筋上部
- ショルダープレス=三角筋前部
- ショルダーバックプレス=三角筋中部
スミスマシンにおける注意点はベンチプレスと変わらず、ラックアウト前にグリップの角度の工夫が必要であるということです。
スーパースミスを使う際もベンチプレス同様、トップポジションがボトムポジションよりも上部になるようにしましょう。
スミスマシンを使った背中のトレーニング
スミスマシンで背部のトレーニングをおこなう際は、バーベルの軌道が垂直なスミスマシンよりも角度がついた、スーパースミスのほうが自然な角度でトレーニングできるためおすすめです。
スーパースミスがない場合は少々テクニックが必要になるので気をつけてください。
ベントオーバーローイング
このトレーニングをフリーウエイトでおこなう際はバーベルが多少斜めに動きます。
それにスーパースミスマシンの傾斜を合わせることで、力のロスがない自然なトレーニングをおこなうことができます。
動作が垂直なスミスマシンでおこなう際は、身体をなるべく前傾させ、ローイングをなるべく垂直におこないましょう。
しかし、それでも限界はあるので、身体を前後に揺するテクニックを用います。
バーを引き上げたトップポジションでは身体を前に、バーベルを下ろしたボトムポジションでは身体全体を後傾させます。
このように身体本体を前後に動かすことで、身体に対しバーベルが斜めに動作するためフリーウエイトに近いベントオーバーローイングを再現することができます。
デッドリフト
デッドリフトも通常のフリーウエイトでは多少後方にバーベルを引き上げるので、スーパースミスマシンがおすすめです。
ただし、ベントオーバーローイングよりも高重量を扱うこの種目では身体を前後にゆするテクニックが使えません。
そこで、おすすめしたいのがスモウデッドリフトです。
スティフレッグデッドリフトのように動作が単関節運動に近づくとバーベルの軌道は弧を描くようになるため、スミスマシンでは難しくなります。
スモウデッドリフトでは足首、膝、股関節といった関節が同時に動作するためバーベルの軌道は直線に近づきます。
スミスマシンではシャフトによりバーベルの軌道が直線に制限されているので、こちらのスモウデッドリフトをおすすめします。
チンニング
裏技として紹介したいのが、このチンニングです。
バーベルを一番高いラックにかけることでチンニングバーにもなります。
チンニングが出来ない方は、バーベルの高さを足が届く位置まで下げ斜め懸垂のようなトレーニングをおこなうことも出来ますので是非挑戦してみてください。
スミスマシンを使った腕のトレーニング
腕のトレーニングはヒジ関節のみが動作する単関節運動が多く、先程も紹介した通りバーベルの軌道が弧を描いてしまうためスミスマシンでは少し難しくなります。
ここでは腕のトレーニングを複合関節運動にアレンジしたものを紹介します。
ナローグリップベンチプレス
ライイングエクステンションでは肘の単関節運動になってしまいますので肩関節と一緒に動作させる、こちらのナローグリップベンチプレスを紹介します。
グリップをナロー、つまり狭く設定します。
肩幅でバーベルを握り、脇を占めてベンチプレスをおこないます。
バーを下ろす位置をベンチプレスよりも下方に調節することで、肘や手首などの関節に無理なく動作することができるので、自分にあった位置を探してみてください。
バーベルコンセントレーションカール
バーベルカールのアレンジ種目ですが、共通に認識されている名前がないため、今回はこのような名前を勝手ながら付けさせて頂きました。笑
通常のバーベルカールはこちら。
通常のアームカールは肘の単関節運動の為、スミスマシンでは上手にトレーニングできません。
今回のアームカールは肘のフレクション動作に、肩のハイパーフレクション動作を加えることで複合関節運動を完成させました。
また上腕二頭筋の収縮を高いレベルで感じることができます。
なんのこっちゃわからない人のために解説すると、
バーベルを挙上する際に肘を曲げることに変わりはありませんが、肘を曲げると同時に後方に引いていきます。
これによりバーベルはスミスマシンの軌道に沿って動作するほか、トップポジションでも上腕二頭筋の緊張が解かれず、強い収縮を感じることができます。
- 肘を曲げ
- 後ろに引き
- バーベルを大胸筋下部に向かって引き上げる
この3つのことを意識することで強烈な刺激を感じることができますので、是非挑戦してみてください。
スミスマシンを使った脚のトレーニング
最後に脚のトレーニングを紹介します。
高重量を扱う脚のトレーニングでは、フリーウエイトだとフォームが崩れ怪我の可能性が非常に高くなります。
フォームが整うまではスミスマシンを上手に使いましょう。
スクワット
基本的なトレーニングであるスクワットももちろんスミスマシンでおこなうことができます。
やり方に特に変化はありませんので、細かい解説はここでは割愛させていただきます。
その代わりに今回紹介したいのは、スミスマシンならではのスクワットです。
フリーウエイトでのスクワットではバーベルや重心の真下に足をセットする必要がありますが、スミスマシンではバーベルが固定されているので、その必要はありません。
ハックススクワットマシンのように深くまでしゃがみ込み、大腿四頭筋、大殿筋をダイナミックに使うことができます。
高重量を扱う際は、スミスマシン自体が後方に転倒しないか確認した上でおこなうようにしてください。
カーフレイズ
一見地味なトレーニングであるこのカーフレイズですが、扱う重量はスクワットなどを大きく上回ってしまします。
更に、可動域を出すために台などに乗ってしまうと危険度は更に大きくなってしまいます。
そんなトレーニングもスミスマシンでおこなえば転倒の可能性を限りなくゼロに近づけることができます。
初心者はフリーウェイトのがいい?
ちなみに、初心者はフリーウェイトだけをやれば良いってよく言われますが、それも1つの手段です。
ただ、それはしっかりとしたトレーナーなどがついている場合やトレーニングに慣れてきた場合でもいいかなと最近は思います。
本当に何もやったことがなく、何も知らない人がいきなりバーベルなどのフリーウェイトを行うと、ガチで危険だからです。
それなら、まずはある程度トレーニングに慣れたり、筋肉が付くまでは、スミスマシンなどを使ったほうが安心だし、怪我のリスクもないかなと個人的には思います。
それでトレーニングに慣れてきたらダンベルやバーベルを使ったフリーウェイトでガンガンやればいいだけですから。
特にトレーナーもいないようなジムでやるなら、気をつけてくださいね。トレーニングで怪我してたら意味ないですから笑
まとめ
いかがでしたでしょうか。
スミスマシンの最も特徴的な長所はその安全性ですが、スクワットやチンニングのようにちょっと変わったトレーニングも工夫次第でいろいろおこなうことができます。
固定概念に縛られず、様々なトレーニングに挑戦してみてはいかがでしょうか?
ただ、絶対に忘れてはいけないのは「安全第一」です。
スミスマシンで安全に刺激的なトレーニングをおこないましょう!